『400年後』

『 400年後 』


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イオルの森の計画者である岡村さんは、わたしのある質問にこう答えました。


この土地に自生している植物や、生き物たちが息づく庭や森づくりをしていきたいと開店当初から考えていたところ、お店のお客様として出会ったある方に紹介していただいた(この話はまた別の機会に) 近自然森づくり協会の岡村さん。


昨年の春に岡村さんにご連絡をしてお会いしてみると、なんと すぐそばに住んでいる簾舞のご近所さんでもありました。知れば知るほど農学博士でもある岡村さんの活動や考え、協会の理念は五風十雨 という場を通して目指していきたい在り方に共鳴するものが多く、たいせつな師ともいえる方に出会えた感覚に、深く感謝と感動をしていた昨年でした。


この1年の間に何度か活動にご一緒させていただいたり、お話をさせていただく機会をいただき、岡村さんのお話や活動への理解を深めてきました。

ある日、岡村さんとお話をしていく中で、「こうして作る森はどれくらい経つ先住民が暮らしていた時のようにフクロウがたくさん住めるようになったり、昔のようになるのでしょうか?」とお訊きしました。すると「 400年後 ですかねぇ」と、いつものように なんともゆったりとした口調でおっしゃる岡村さん。けれど、そのあとすぐに「でも私たちが生きている間に大きい森にもなるとも思いますよ」と、先ほどのように穏やかだけれど確かなつよさで 願いにも聞こえるような言葉を、希望の光とともにお話しされました。


この時のことは言葉にならない想いがありますが、その時受け取った岡村さんの言葉と意志、光は、それからずっとわたしの中にもあります。



岡村さんの活動への理解が深まってくると、「もしかしたら私たちが生きている間に大きい森が見れるかもしれない」というその言葉には岡村さんの長年の研究による裏付けがああることがわかってくる。岡村さんは30年ほど前から植樹する木も森にある植物の種から苗木を育てていて(今も継続中)、その健やかな苗木たちは、大きなところに植えると数年のうちに大きくなることが実証されている。そして植える際も、人間の意志だけではなく植物たちの順応に任せている方法も素晴らしいのです。






もしかしたら巨きな木たちの森になるまでは本当に400年かかるのかもしれないけれど、私たちがそれぞれできることで力を合わせたりすることで、自然の力や樹々の生命力は計り知れませんので、私たちが生きている間にとても豊かな森が再び戻る可能性もとてもあると感じています。

原爆が落ち、しばらくは生き物が望めないと思っていた地でさえ、スギナという野草がたくさん生えてきたのですから。


400年か と思って諦めるよりも、まずは少しでも始めない限り、400年が縮まることもありません。わたしたちの命もそうして、先人たちの知恵によって連綿と1万年以上続いてきた証です。

わたしたちの平均寿命は伸びる一方だけれど、動物や植物など他の種が人間の都合でこれ以上失われてしまうことをあなたはどう思われますか?これも大きな自然の流れの一部なの

かもしれませんが、他の命の恩恵をいただかなければ、そもそも私たちは生きていくことはできないのです。




岡村さんが提唱されている森づくりのモデルケースにもなる“イオルの森“に、私たちが学ぶものは大きいです。文字だけでは理解できないところも多いと思いますので、ぜひ体感して少しでも知っていただける方が増えることを願ってやみません。当店の活動や、代表であるいがらしの活動でも今後、循環する森づくりへの取り組みを始めるとともに、わかりやすくお伝えしていく予定です。



今月から始めた草摘みの会などを通して、野草や山菜への興味を持つ方の増加をますます感じていますが、自然からのものを、ただいただくだけでなく、どうやったら人間も自然の中で循環することができるのか。それぞれでも、みんなでも、たのしく考えていけたらうれしいです。




この森の考えに纏わることで

今年から始まるこれからの当店の取り組みについて、今後たいせつなお知らせがあります。


今年のどこかで発表予定です。

これは、実は昨年お知らせした休業のあるきっかけから、生まれた新しい道でした。



その時はどうか皆様に

ご支援やご協力を賜れましたら幸いです。



これからも 原っぱと台所から

うれしいめぐりを実践していきたい。


わたしの小さくて大きい 草の根運動

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